このサイトについて
お知らせ
書籍紹介
私が小説を書く理由
あれから十年
プロフィール
おすすめタイトル診断
もっと見る
うだりおは現代社会の生きづらさをテーマに、書き下ろしの長編、短編小説を電子書籍で発表しています。
読んでみたいけれど、電子書籍が分からないという方はこちらをご覧ください。
物語を進行する滝川愛は、野心に燃える駆け出しの月刊誌記者。彼女はコーポラティブリビングの取材のために『国際村』を訪れる。そこでは、個性豊かな住民達が『ツナガリ』という概念を世間に広めるため、村という集団の中で独特のルールを実践して暮らしていた。取材を進める内に、次第に明らかになっていくそれらルールの真意。 『国際村』とは何か。 『ツナガリ』とは何か――。 現代に生きる日本人が抱える心の問題を根底から問い直す長編小説。
平凡なサラリーマンである和成は、自己の安らぎを優先させて、他人との関わりを避けて生きてきた。一方で、心の奥底で人を見下し、他人の行動に日々苛立ちを覚えるキャリア志向の葵。二人は出会い、結婚し、やがて子供を授かる。互いを嫌う結婚生活、煩わしい子育て、不満を募らせる二人の前に、ある日、醜い男が現れる。男は言う、「うまくいかないのはこの世に存在していないからだ」と。男の真意は何なのか。男は何者なのか。うだりおの長編小説第二弾は量子力学の一解釈を応用したサイエンスフィクション小説。
川幅二百メートルの大河『龍神川』が町を二分する新田町と北保示町。龍神川は過去に大氾濫を起こし、新田町を浸水させていた。その新田町で生まれ育った幼馴染の四人――ベンチャー企業の課長、義明、花屋の息子、岩男、地元の工場で働く翔平、そして画家のケン――は、それぞれに災害の爪痕を心に抱えながら何となく日々を過ごしていた。ところがケンは、あることをきっかけに人が生きるということに対する独自の哲学を深めていく。そして前を向いて進んでいくことを決意した四人は、真夏の夜にそれぞれの『過去』を燃やすことに……。ケンの人生を突き動かしたものは何だったのか――。一日ごとに過去に戻っていく構成の本作は、読み進めるほどに謎が解き明かされる。うだりおの長編小説第三弾は、社会で生きていくことに疲れたものとその中でもがくもの、両者を軸に人生の面白さを描き出す現代小説。
高校三年生の洋平は失声症を患っていた。言葉を話せない洋平は、友達もおらず、学校へ行く意味も見出せない。だから、ただ一人、そんな洋平を理解してくれる大地とともに、学校をさぼり、暇を持て余す日々を送っていた。 そんなある日、洋平は高校に新しく赴任してきた臨時教員、アサクラと出会う。 アサクラの純粋で真っ直ぐな人柄に次第に魅せられていく洋平。洋平はアサクラと話したいと思うようになっていた。 一方で、村の青年団員でもある大地は、団長の徳永から村に古くから伝わる『成人の儀式』の話を聞かされる。儀式を受けて早く大人になりたい大地と、声が出ないもどかしさを抱えて生きる洋平。二人は運命の糸に引き寄せられるように成人の儀式へと向かっていくが、そこには村の一部の人間しか知らない秘密の隠し事が存在していた。 思春期の高校生達が、与えられた枠の中でもがき、葛藤し、力強く生きていく姿を描くヒューマンドラマ。上下二巻から成る壮大なドラマをお楽しみください!
爽やかな梅雨晴れの朝、大学一年生の小泉陸は成田空港からベトナムのハノイ、ノイバイ国際空港へと飛び立った。旅の目的は、ベトナムに住む旧友に会いに行くこと。陸は旅の同行者である釣り雑誌の編集記者、増本と話をするうちに、釣りばかりしていた小学6年生の自分を思い出していく。家の近くにある霊鎮湖に毎日のように通い詰めていたこと、その湖に住むと言われる金色に輝く幻の大魚『盈月』を追いかけていたこと、そしてその盈月を追う中で偶然出会ったベトナム人技能実習生『クオン』との楽しくも苦く切ない思い出ーー。 過去に置き去りにしてきた自分と向き合う陸。死にものぐるいで未来にすがりつくクオン。運命の糸に引き寄せられるように再会した二人がベトナムの地で見たものとは……。
時は2069年。国の人口が8000万人を切り、そのうちの半分以上が70歳以上の高齢者という時代。フジサキ法の成立により、企業が作り出した人間である『企業産』と、自然交配によって生まれた『自然交配型』の2種類の人間が入り混じる社会で、企業産人間であるシバは、仮想現実空間と現実社会を行き来するだけの日々を過ごしていた。漠然とした不満を抱えながら生きるシバは、ある時、友人の紹介で夜のアルバイトをすることに。その内容とは、自然交配型である高齢者を『狩る』こと。同じ企業産であるタケと知り合い、老人を狩ることになったシバは、初めこそ、その蛮行に反対していたが、徐々に老人狩りにのめり込んでいく。そして年が明け、いつものように老人狩りを楽しんでいたシバ達は、ある事件をきっかけに、今度は反対に狩られる立場へと追い詰められていく。
公安警察官である巻はる子は、難民キャンプから逃げ出した企業産エリート、パク・ソンホを追跡する任務についた。基調、揺さぶり、顔認証サーチ。はる子は公安警察の最先端技術を駆使してパクを追い詰めるも、パクの超人的な力により、あと一歩のところで逃げられてしまう。
スマートジェネティクスジャパンの取締役である藤崎幸大は、人類史上もっとも神に近い企業産人間『超人マカ』の誕生に胸を躍らせていた。ところが世話になっていた久米の死をきっかけに
自らを『神の怒り(カミナリ)』と称する反社会的集団に属するサムは、高齢者を狩ることで報酬を得て生活していた。そんなある夜、サムは上物狩りの命を受ける。
人工胎生企業大手スマートジェネティクス社の研究員である早見凛太朗は、退職を目前にした日の朝、一本の電話を受ける。電話をかけてきたのは、スマートジェネティクス社が生み出した企業産人間、柴崎望。柴崎は付与した超人遺伝子が一つも発現しない落ちこぼれGMC(Genetically Manipulated Child)と長年考えられてきたが、早見はそれらがどうやら機能し始めているらしいと気付く。皆が待望した『心』を持った超人の目覚めである。
社会人二年目のミユキは、日々繰り返される執拗な社内虐めに苦しんでいた。 ある日、アメリカに留学中の同郷の幼馴染み、沙希から、会いたいと連絡を受ける。一時帰国していた沙希と再会したミユキは、沙希からもう一人の幼馴染み、唯の話を聞かされる。次第に呼び起されていく唯との記憶。そして遠い昔に蓋をした記憶の中で過去の自分と出会った時、ミユキは今の自分を受け入れる決心をする。 現代社会を生きる日本人の生き辛さと、それに対する一つの答えを描いた短編小説第二弾。
6月のある日、静岡に住む叔母から段ボール箱が届いた。箱を開けると、中には丸々と太った沢山の夏みかんと小枝についたアゲハ蝶の蛹。その蛹を見て、麻央は幼少の頃に蛹で遊んでいたことを思い出す。用水路をすいすいと流れていく蛹、怖かった叔母、優しかった母――麻央は母の秘密を知ってしまって以来、今の母がどうしても好きになれないでいた。そんな折、叔母から従兄弟の恭正の大学見学に付き合ってほしいと頼まれる。静岡からやってきた恭正の東京見聞に付き合う麻央だったが、次第に、彼が本当は大学を見に東京へ来たわけではないのではないかと疑い出す。恭正は何をしに東京へやってきたのか。短編四作目となる本作は、新古の考え方が混じり合う現代に生きる親子の話。
大学四年生のボビーは、仲間とアマチュアバンドを組んで音作りに励んでいた。学業よりも楽しいことを優先させ、毎日を気楽に暮らしていたボビーは、女に振られたことを機に引っ越しをすることに。ところがやってきたアパートでは、入居したその夜に、壁が音を立てて鳴り響き、部屋が揺れ始め……。現代の日本社会が抱える問題の核心を鋭く描写した短編小説第一弾。
あと三日で年が明けるという年末のある日、禁酒中の秋生の目に、巨大な焼酎の広告が映り込む。それは焼酎のボトルを囲むように団欒する絵に描いたような幸せな家族写真で、それを目にした途端に、秋生は妻のことが頭から離れなくなる。結婚して、一緒に生活して、子供ができて、子供を育て……。変わっていく妻。変わっていく自分。そして変わっていく夫婦の関係。何がいけなかったのか。何が足りなかったのか。妻との思い出に浸るように買った薔薇とチョコレート。それらをぶら提げて帰宅した秋生を待っていたものは――。何をやっても報われないと思っている人に読んでもらいたい。ほんのりと甘くて苦い夫婦の物語。
無料公開期間は終了しました