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閃き それは気付き
気付きが世界をリセットし
世界が俺をリセットする

特異点2069

~稠林の迷い子編~

2023年10月発行 460円
うだりお 表紙 電子書籍 長編小説 特異点 2069 稠林の迷い子 未来、裏社会、半グレ、緑色の怪物

物語

2038年4月、「ヒトの遺伝子操作に関する法律」、通称「フジサキ法」が施行される。これにより、遺伝的疾病の回避を目的とした遺伝子操作が可能となる。

2042年1月、「先天的遺伝子異常における医療的遺伝子操作に関する法律」が施行される。これにより、これまで難病とされてきた先天性疾患の治療が可能となる。

翌43年、「フジサキ法」が改正され、遺伝的疾病の回避目的以外でも、生殖細胞系列の遺伝子操作が可能となる――企業が子どもを作る時代の到来である。

時は2069年。国の人口が8000万人を切り、そのうちの半分以上が70歳以上の高齢者という時代。フジサキ法の成立により、企業が作り出した人間である『企業産』と、自然交配によって生まれた『自然交配型』の2種類の人間が入り混じる社会で、自らを『神の怒り(カミナリ)』と称する反社会的集団に属するサムは、高齢者を狩ることで報酬を得て生活していた。そんなある夜、サムは上物狩りの命を受ける。ターゲットはスマートジェネティクスジャパン取締役の藤崎幸大。藤崎はサムが幼少の頃にサムを檻の中に閉じ込めた因縁の相手だった。復讐心に駆られ、仲間と藤崎狩りに臨んだサムだったが、狩りの途中で、サムの中にいる化け物が意図せず外に出てきてしまう。サムは自分の中に獰猛な化け物を飼っていた――。

本作は「特異点2069~冒疾の果て編~」に続く第4弾。奇妙で摩訶不思議な特異点の世界観を存分にお楽しみください。

居場所

居場所

Photo by ddzphoto

新しい顔

新しい顔

Photo by 0fjd125gk87

毛むくじゃらの化け物

毛むくじゃらの化け物

十本筒

十本筒

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オーバードース

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Photo by padrinan

DNAストレージ

DNAストレージ

Photo by mirerek8

見てはいけない

見てはいけない

Photo by Victoria_Watercolor

痛み

痛み

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極上の空

極上の空

Photo by Dimitris Vetsikas

自業自得

自業自得

Photo by JuiMagicman

葛藤

葛藤

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女を追って

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Photo by Amy

生き埋め

生き埋め

Photo by Daniel Langezaal

解き放つイド

解き放つイド

Photo by StockSnap

美しい世界

美しい世界

Photo by StockSnap

虚構の街

虚構の街

Photo by TheDigitalArtist

※ギャラリーにて使用される画像の著作権は各著作者に帰属します。

登場人物

Image by Mitsuo JR
​サム

年齢・出生不明。カミナリの喉。高度な毒耐性および痛み耐性を有する。意識的な傷の修復および顔を変えることが可能。額に第三の目があり、それを開くと内なる化け物が外に出てくる。周りから恐れられる存在であるが、サム自身は疎外感を感じている。自尊心が低く無口。白い光を探している。

Image by Yoab Anderson
伊藤令奈

自然交配児。美容専門学校生。GMCに対する偏見を持たない稀有な人間。正義感が強く家庭的。真面目で芯が強い。母親が入院中のためにお金を借りた個人貸しとの間にトラブルを抱える。見る度に印象が変わる。

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葉山健太郎

MaxGene産エリートGMC。論理・算術能力A判定。カミナリの構成員。サムの右腕。普段は動画編集の仕事をしながら政策立案士を目指している。繊細で冷静な戦術家。神経質で警戒心が強い。狩りの時にはスタンガンを持ち歩く。現実主義者。林檎が好き。高齢者・自然交配児を嫌っている。

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白い光

少女の姿をした人型の光。姿・形を変えることができる。サムが幼少の頃に、サムを檻から助け出したが、それ以来、サムの前から姿を消してしまった不思議な存在。

注)GMCはGenetically Manipulated Childの略

※画像は本作品におけるイメージです。被写体と本作は関係ありません。

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本作に込めた思い

特異点シリーズ4作目となる本作は、反社会的集団『カミナリ』を軸に物語が進んでいきます。
これまでのシリーズ作品にもカミナリについての説明や噂話は登場しますが、その実態に踏み込んだ描写は本作が初めてです。そのため、作中には数多くの違法行為が描かれていますが、私が本作に込めた思いはそれらにはありません。
前作の『冒疾の果て編』では、『超人』と呼ばれるGMCの存在を明らかにしました。本作では、その超人から見た世界を描きたかった。そして、傍から見れば素晴らしく恵まれた能力を有する超人であっても、実際は、周りと違うことに違和感を感じ、周りの態度から疎外感を感じ取っているんだという、当たり前のことですが、本人にしか分からない苦悩と、本人にさえ分かっていない心の奥底にあるトラウマを描きたいと思っていました。
本作のテーマは『不信』です。私たちが不信感を募らせる理由は様々ですが、私たちが生きている現代は、もう何が本当で何が嘘かを見分けるのは難しい時代になっています。そして一度嘘が見えてしまうと、たとえ本当はそうでなかったとしても、裏には何かあるに違いないと疑ってしまうのも仕方ありません。
ただ、ものの見方や捉え方を少し変えると、いつも見ている景色がまったく違って見えることがあります。
もちろん、手を差し伸べてくれる他者、経験や感情を共有してくれる他者、そういう周りの存在があって初めて、見え方というのは変わっていくものだと思いますが、本作を読んで、そういった無意識の不信が渦巻く世界で、周囲から浮いた存在である若者が、どうやって自分自身を閉じ込めている心の牢獄から抜け出していったのか、そういった部分にも思いを馳せていただけたら幸いです。
うだりお 表紙 電子書籍 長編小説 特異点 2069 稠林の迷い子 未来、裏社会、半グレ、緑色の怪物

特異点2069

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