こんにちは!
季節も秋に差し掛かり、夜は少し肌寒くなってきましたが、皆さんはいかがお過ごしですか?
今日は新刊のお知らせです。
昨年、Web上で連載した小説『枠』が、上下2巻から成る電子書籍として以下のストアから発売されました!
・Kindleストア
・楽天Kobo電子書籍ストア
・GooglePlayブックスストア
・iBooksストア
ただ今、9月30日まで上巻99円のセール中ですので、この機会にぜひ、その手に取って読んでみてください!
さて、今回の小説『枠』は、私が日頃、ふとした瞬間に感じるこの国の雰囲気を、物語にして文字で綴ったものです。
雰囲気――それは、毎日私達が身に着ける下着や洋服と同じように、肌に触れ、気持ちに響きます。それを着るのが当たり前すぎて、それが破れていても、汚れていても、気が付かないかもしれません。気が付いていても気にしない。あるいはそれを着るしかない、そういう人もいるかもしれません。
この、毎日肌で感じる雰囲気の正体は何か――。
それを突き詰めていくと、この『枠』に行き当たります。
内閣府の調査によると、日本では、去年だけで500人以上の子ども(19歳以下)が自殺しています。
原因別に見ると、入試、進路、学業不振などの学校問題が最も多く、全体の30%、次にうつ病などの健康問題が22%、そして家族関係の不和、しつけなどの家庭問題が19%と続きます。
本作の主人公である洋平は18歳です。失声症という病気を抱え、将来に不安を感じ、そして親との考え方の違いに悩み苦しみます。しかし洋平は自殺という選択をせずに、前に進んでいきます。大人になるための通過儀礼、成人の儀式へと向かっていきます。なぜならそこに、母親や先生のアサクラ、そしてクラスメートの千佳の存在があるからです。
生まれてくる環境、育つ環境を、子どもは自分で選べません。そして、自分一人の力でそれを変えることは大変難しいと思います。もし、私が感じているような雰囲気を彼らも感じていたとしたら、もし本作の中で描いたような『枠』を感じていたとしたら、これは、私達、大人の責任です。
『枠』に無理やりはめずに見守る大人。
不自由で閉鎖的な『枠』から手を取って引っ張り出してくれる大人。
自分に自信を持ってのびのびと成長していく子供、そしてそれを見守り危機に手を差し伸べる大人、そういう子供と大人が増えていってくれたら、私が本作を書いた意味はあったのかなぁと思います。
男と女。
子どもと大人。
皆さんの『枠』はどこにありますか?
作品概要と試し読みはこちらからどうぞ。