おはようございます。
風が冷たいですね。卒業式や入学式も終わり、桜も散り始めたというのに、春だか冬だかよく分かりません。また来週から暖かくなるそうですが、しばらくはジャケットが手離せそうにありません。
先日、ある銭湯絵師の盗作疑惑についてニュースを目にしました。
Yahooニュースによると、彼女は大正製薬の新炭酸飲料「RAIZIN」のイベントで虎の絵を描いたようで、その絵が他の方が過去に描いたものと酷似していたとのこと。ソースがネット情報で申し訳ないのですが、彼女はその他複数の作品からも盗作していたようで、どの記事も厳しい論調で書かれていました。
私自身、物語を作る立場として、盗作(他人のアイデアを勝手に自分の手柄にする行為)は良くないと思っています。そのアイデアを絞り出し、形にするまでにどれだけの苦悩を経てきたかは、同じ作り手として苦しいほどに分かります。だから誰かに私の作品を勝手に使って欲しくはないし、私も誰かの作品を勝手に使うようなことはしたくないと思っています。
ただ今回の彼女の件に関して言えば、私は、彼女は盗作してやろうと思ってやったのではないと思っています。彼女の絵を見ましたが、とても上手です。何かを見て描いたとしても、そこに彼女の技術があったことは確かだと思います。では何が問題だったか。まずは、参考にした元の著作者に許可を得ていなかったこと、そして、それが自分のオリジナルだと言ってしまったことだと思います。きっと彼女は模写が上手なんだと思います。「私は模写の達人です」と割り切って、「○○さんの作品を参考にさせていただきました」とクレジットとレファレンスをしっかりと提示しておけば、ここまで大きな問題にはならなかったように感じます。
昨年は芥川賞の候補作でも盗作疑惑が上がりました。海外でも音楽や映画など盗作疑惑はたくさんありますね。ある作品を生み出すという行為には、その過程でたくさんのインスピレーションを外部から受け取ります。他の方がすでに同じアイデアを生み出していたと気付かずに、作品を生み出すこともあるでしょう。盗作の一番の悪は、そこに意図的、利己的な意思が働いたかどうかだと思います。でもそれが分かるのは本人のみです。だから周りはとやかく言う必要はないと私は思っています。だって罪の意識を一番感じているのは、それをした本人なのですから。
さて、連載小説『特異点(仮)』、第二回『企業産と自然交配』をアップしました。
今週もどうぞ良い週末をお過ごしください。
Photo by JB_Bandit