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執筆者の写真うだりお

特異点(仮)、第10回『バトン』を公開しました!


皆さん、こんにちは。

久しぶりの雨ですね。蒸し暑くて夜中に目を覚ます日も増えてきました。皆さん、体調など崩していませんか? 沖縄と九州南部ではすでに梅雨入りしていますが、関東地方でも来週中には梅雨入りしそうですね。今年の梅雨入りは昨年よりも早そうです。

先日、こんなニュースを目にしました。 『育休直後に転勤命令で「パタハラでは」との批判(ハフィントンポスト、泉谷由梨子;記事①)』。 事の発端は、カネカの元従業員の妻がツイッターで「夫が育休復帰直後に転勤を言い渡され退職した」と同社を批判したことです。これを受けて、カネカは公式サイトにて「当社の対応に問題は無いことを確認」したと「パタハラ」疑惑を否定しました(記事①より抜粋)。

私は元従業員の方を知りませんし、カネカで働いたこともないので、実際にはどのような人間関係のすれ違いが起きたのかを正確に知ることはできませんが、カネカ公式サイトの同社見解文を読む限り、人道的な配慮はされていなかったように感じました。ちょうど、いつも行くカフェの従業員にマニュアル対応された時のような寂しさに似ています。もちろん誰も悪くありません。誰もがそういうものだと思って、現実を受け入れ、それに慣れているだけだと思います。

一方で、「アメリカのJPモルガンチェースは、育休取得を却下された従業員らとの訴訟において、500万ドルを支払うことで和解した(ハフィントンポスト、Emily Peck;記事②)」との記事も目にしました。こちらは、男性も女性も育児の担い手として同等であると認めた形になります。

カネカのケースとJPモルガンチェースのケースは、事情が異なるから比較することはできないという人もいるかもしれません。でも、問題の本質は一緒だと私は思っています。

問題は、それが「パタハラ」かどうかではありません。 問題は、会社という組織が、従業員である個人とその家族に、これまで、たくさんの、本当に数えきれないほどたくさんの犠牲を強いてきたという点にあります。

子供の具合が悪いから早く帰ってきて欲しいけど、ムリだろうなぁ……。 今日はちょっと熱っぽいけど頑張って料理を作ろう。 一人じゃ無理だから助けて欲しいのに、なんで傍にいてくれないの?

家族の都合よりも会社の都合が優先される。 それが当たり前、それが普通と続いていった先に、何があると思いますか? 家族はどうなると思いますか?

家族は社会の大切な構成要素の一つです。その大切な要素が上手く機能しなくなった時、果たして社会全体は上手く機能するでしょうか?

JPモルガンチェースを相手に最初に訴訟を起こしたデレク・ロトンド氏は言います。「これは全ての人にとっての勝利です。かつて、女性の仕事は、家にいて子供を産んで料理することだと言われていました。でもそれは、私たちの時代にはもはや効果的ではありません(記事②より抜粋)」

パタハラ、マタハラ、モラハラ、スメハラ。ああ、また今回もパタハラ案件か……、ではなく(笑)、『生き易い』社会のため、私たち一人一人が、できることを少しずつ、身の回りから実践していけたらいいですね。

連載小説『特異点(仮)』、第10回『バトン』を更新しました。 https://www.riouda.net/baton

今週もどうぞよい週末をお過ごしください。

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