皆さん、こんにちは。
暑い日が続いていますね。プールバッグを持って自転車に乗る、真っ黒に日焼けした子供たちを見かけると、ああ、夏休みなんだなぁと思う今日この頃ですが、皆さんはいかがお過ごしですか。
ここのところ、あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」が物議を起こしています。「表現の不自由展・その後」は、国内の美術館から展示不可とされた作品を集めて再展示する展覧会ですが、芸術監督を務める津田大介氏によると、展示不可とされた経緯とともに作品を見ることで「表現の自由を巡る現代の状況について議論のきっかけを作る」ことが展覧会の趣旨だったようです。
ところが、開催初日に展示された作品を見た人々がSNSで感想を吐露すると、たちまちネット上で炎上。中でも「平和の少女像」と「遠近を抱えて」の二つの作品は大きな議論を呼び、「開催2日目に名古屋市長が同展を視察する騒動へと発展(ハフィントンポスト、生田綾)」しました。そして開催から3日目、皆さんも知っている通り、展覧会は中止されます。
津田氏は中止の理由を「運営スタッフおよび来場者の安全が危ぶまれる状況に陥ったから」と説明しています。脅迫やテロ予告です。それほど、展示されていた作品に嫌悪感を抱いた人が相当数存在したということでしょう。もちろん、脅迫やテロといった行為はあってはなりません。でも、ハーレムのど真ん中で「俺は黒人が嫌いだ」というプラカードを背負っていたらどうなるか、ダイハード3のマクレーン警部補を見れば分かりますね。
芸術は見る人の感情を揺さぶります。そして人は感情に従って生きる生き物です。今回は、展示作品の選定も含め、主催者側の期待・イメージする来場者像が少々限定的だったのかもしれません。現在は憲法学者や歴史学者も交えて実行委員会側からも再展示を求める声もあるようなので、警察等の協力を得て手荷物検査をするなど、来場者の安全を確保した上で、展示再開されることを期待しています。
さて、連載小説『特異点(仮)』、第19回『見られてる』を公開しました。 https://www.riouda.net/mirareteru
今週もどうぞよい週末をお過ごしください。
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