皆さん、こんにちは。
ここのところ、涼しい日が続いているなぁ、もう秋だなぁ……なんて思っていたら、昨日今日とまた蒸し暑い夏日に戻りました。暑かったり、涼しかったり、体も疲れてしまいそうですが、皆さんはいかがお過ごしですか。
先日、こんなニュースを目にしました。『MXとマツコさん相手に原告1万人の集団訴訟提訴へ(毎日新聞、野原大輔)』。
記事によると、N国党党首立花孝志氏が、MXとマツコさんを相手に、原告一人当たり1万円、総額1億円の損害賠償を求める方針をYouTube上で示したようです。原告は、7月の参院選で同党に投票した有権者を対象に、先着順で1万人を募集するとのこと。
そこまでやるの?
というのが、最初に頭に浮かんだこと。その後は、残念な気持ちが起こって、何というか、言葉がありませんでした。
これをやってしまうと、今後、テレビのコメンテーターは、委縮して自由に発言できない人が増えてきそうです。そうなると、皆、当たり障りのない発言ばかりになって、テレビの多様性も薄れてきますね。コメンテーターだけではありません。SNS上のインフルエンサー、芸能人、そういった人たちも発言を躊躇う人々が出てきそうです。すると今度は、自分の発言を躊躇う空気というか、流れができて、私たち一般人でさえ、過剰に気を使い過ぎて自由に物が言えなくなる、なんてこともありえなくもありません。
つまり今後は、皆、天気と食べ物の話題しか話しちゃいけませんってことです。玉ねぎが好きとか嫌いとか、食べ物の話題だったら、誰も傷つけませんからね。でも玉ねぎ柄のドレスの話はしてはいけませんよ。ドレスになった途端に、その人の趣向を傷つけてしまう可能性がありますからね。
ああ、めんどくさい世の中です。
自分が思ったことも率直に言えない……。
誰も傷つけない発言なんてありえないのに……。
ふーん、そう思ってるんだ。そういう意見なんだ。私は違うけど――そう思えたら、もっとうまく回るような気がしてなりません。
もちろん、立花氏は政治家ですから、別の意図があるのかもしれません。『N国党が次は「文春砲」「マツコ・デラックス」を狙った恐るべき理由 本当に「日本版トランプ」と化す可能性(現代ビジネス、真鍋 厚)』に書かれているようなことが、この先、本当に起こるかもしれません。仮にそうだとしても、社会全体のことを考えたら、立花氏のように影響力のある政治家であればなおさら、これはやってはいけない悪手だったような気がします。お互いを縛りあうような世の中にならないよう願いつつ、今後のMXとマツコさんの対応に注目したいですね。
さて、連載小説『特異点(仮)』、第23回『虚ろ』を公開しました。
今週もどうぞよい週末をお過ごしください。