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執筆者の写真うだりお

連載小説『特異点4』、第11話『事情』を公開しました!

皆さん、こんにちは。


6月に入ってじめじめした日が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしですか。


先日6日に行われた参議院内閣委員会において、子ども家庭庁に関する参考人として呼ばれた明石市市長の発言が話題となっています。


明石市は2013年から9年連続で人口が増え続けています。また、県が公表する資料によると、明石市の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む平均的な子どもの数)は1.62と、全国平均の1.34を大きく上回っています(兵庫県HP、合計特殊出生率データ、令和2年)。ちなみに東京都は令和2年の時点で1.09、大阪は1.28です(厚生労働省HP、都道府県別にみた合計特殊出生率の年次推移)。


人口増加の理由を探っていくと、県内の他市町からの転入が多いことに気が付きます。それも25歳~39歳の子育て世帯が多いんです。というのも、明石市は、子どもの公共施設への入場料無料や第2子以降の保育料無料など、子育て政策に力を入れているからです。


その市長が国会でこう語りました。


「日本は少子化の加速や経済の停滞と言われておりますが、その原因のひとつは私たちの社会が子どもに冷たすぎるのではないかと思えてなりません。子どもを本気で応援すれば、人口減少の問題に歯止めをかけられますし、経済も良くなっていくと考えております」(Buzzfeed、Kota Hatachiより抜粋


素晴らしい発言ですね。


何が素晴らしいって、その内容はもちろんですが、皆をまとめていく立場にある人がこれを国会で発言したことです。そしてそれを裏付ける実績と結果もちゃんとある。これを聞いて、上辺だけの言葉だと思った人はおそらくいないでしょう。


私が今書いている小説は、人口8000万人、そのうちの約半分が七十歳以上の高齢者、そして合計特殊出生率は0.2という世界を舞台にしています。私がこれを書き始めた当初は、まさに子どもや若者に冷たい社会を想定していました。もちろん、そうならないでほしいという願いを込めてです。


でも今、一筋の光が見えた気がします。


経済よりも子ども。

会社よりも家庭。

まずは私たち自身の幸福。


もし明石市長のような大人がこれからもっともっと増えていったら、私の想像した未来はフィクションに終わります。そして私は、フィクションはフィクションであるべきだと思っています。


さて、連載小説『特異点4(仮)』、第11回『事情』を公開しました。


今週もどうぞ良い週末をお過ごしください。



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