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執筆者の写真うだりお

連載小説『特異点4』、第12話『極上の空』を公開しました!

皆さん、こんにちは。


全国的に梅雨に入りました。晴れたり、雨が降ったり、一日ごとに天気が入れ替わっていますが、皆さんはいかがお過ごしですか。気象庁によると、全国的な梅雨明けは7月中旬~下旬頃とのこと。あと1カ月もすれば夏がやってきます。


今週の月曜日、侮辱罪の法定刑が改定されました。具体的には、1年以下の懲役・禁錮または30万円以下の罰金が新たに追加され、服役者の更生に重点を置いた拘禁刑が新設されました。昨今、社会問題となっているネットの誹謗中傷を念頭に置いた対策ですが、これまで30日未満の拘留または1万円未満の科料だったことを考えると、かなり刑が重くなったと思います。


ただこれで誹謗中傷がなくなるかと言ったらそうではない気がします。もちろん一定の抑止力にはなるかと思いますが、もっと根本的な問題に目を向けない限り、誹謗中傷はなくならないと個人的には思います。いや根本的なものに目を向けたとしてもなくならないでしょう。なぜならそれは表層部において、他人と他人のコミュニケーションに起因する問題だからです。


初めて会う人とのコミュニケーションの食い違いは、皆さんも経験したことがあると思います。私のことぜんぜん知らないのに、この人なに言ってるんだろうとか、この人の言い方きついなとか、この人なんか嫌だなとか、会話のノリだったり、温度差だったりを感じたことは誰でもあるんじゃないでしょうか。そんな時、皆さんはどうしていますか?


私は一旦離れます。物理的に距離をとるわけです。でもネットの誹謗中傷では物理的に距離をとることができません。だから無視するのが一番だとか、『スルースキル』・『即ブロ』とかいう言葉が生まれてきたんだと思いますが、一度、胸の奥深くをえぐった言葉は、たとえ無視したとしてもなかなか消えるものではありません。そして相手の実体が見えないからこそ、負の妄想に負けてしまいそうになることもあるかと思います。


そういう時は家族や友達に話を聞いてもらうのが一番ですね。自分をよく知る人物に味方になってもらう、これは普段のコミュニケーションにおいても同じだと思います。だって相手は私という人間のことをほとんど知らないわけですから。


ネットの誹謗中傷は残念ながらなくならないと思います。それよりも私たち自身が誹謗中傷との上手な付き合い方を学んでいく必要があるのかなと思います。まずは誹謗中傷と距離をとり、自分をよく知る家族や友達と話して忘れる。それでも解決しない場合は、警察や専門の相談窓口に相談する(違法有害情報相談センター誹謗中傷ホットライン)。


とまあここまで書いてきて、なんとも世知辛い世の中になってきたようにも感じますが、世の中の誹謗中傷の大部分は、心になんらかの不満を抱える方が書いているようにも感じます。それが何かは本人にしか分かりませんし、本人にさえ分かっていないかもしれません。


でももし、彼ら彼女らの不満がこの問題の根底にあるのだとしたら、誹謗中傷をなくす上で本当に必要なのは、そういった方々に寄り添い、理解し、リスペクトを示すことなのかもしれません。


さて、連載小説『特異点4(仮)』、第12回『極上の空』を公開しました。


今週もどうぞ良い週末をお過ごしください。



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