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執筆者の写真うだりお

連載小説『特異点4』、第30話『解き放つイド』を公開しました!

皆さん、こんにちは。


先日は東京で気温30度を超える夏日がありましたが、皆さんはいかがお過ごしですか。


雨が降ったり、太陽が顔を出したり、暖かくなったり、寒くなったり、気候というものは、ゼロかイチかではなく、また直線的な変化でもなく、行ったり来たり波打つ変動の中で少しずつ変わっていくものなんだなあと思います。それはきっと私たち自身も含めて、この世界にあるものはすべてそうなのかもしれません。


いい時もあれば、悪い時もある。

強い時もあれば、弱い時もある。

ただ私たちの場合、その変化のきっかけは、私たち自身でつかむことができます。


特異点の世界について話しましょう。


前回、サムとケンは山奥の土中に埋められた産廃用コンテナの中に閉じ込められました。

コンテナは頑丈な鉄でできていて、パワー系のGMCでさえ素手でどうにかできるものではありません。その上、SN機やスマートウォッチ、MRグラスといった電子機器は電波が遮断されて、助けを呼ぼうにも呼べませんでした。そのため、何とか外に出る方法を考えていたサムとケンですが、次第に絶望に侵されていきました。そんな中、気を失って倒れたケンのコートから十本筒がこぼれ落ちました。十本筒は老人を狩るために使っていた道具ですが、GMCにそれを使うと、狂暴化して死ぬと言われています。


ここで選択です。


自分が狂暴化して死ぬと分かっている十本筒を、サムは自らの首に打つのでしょうか。

それとも十本筒は打たずに、別の方法を考えるのでしょうか。

自分には打たずに、ケンの首に十本筒を打つという選択肢もあります。


自分が暴走する恐怖。ケンを傷つけてしまう恐怖。死ぬ恐怖……。

今回、サムはそれらと戦って自分なりの答えを出します。



今週もどうぞ良い週末をお過ごしください。


Photo by StockSnap


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