皆さん、こんにちは。
いよいよ初夏が目前に迫ってきましたが、皆さんはいかがお過ごしですか。
さて、皆さんは「シミュレーション仮説」という言葉を耳にしたことはありますか?
私たちが生きているこの地球や宇宙は、実は高度なコンピューターによりシミュ―レートされた世界だとする仮説です。ちょうど映画「マトリックス」の世界のように。
にわかには信じがたいこの仮説ですが、何十年も前から、科学者たちは大まじめに議論しています。というのも、実証も反証も難しいからです。詳しい説明はここではしませんが、興味が湧いた方はぜひこちらから読んでみてくださいね。
ただこの仮説、少し想像してみると、面白い仮説でもあります。
もしこの世界がシミュレーションの一部だとしたら、私たちの目に見えている物は本当には「実在」していない虚構ということになります。
ではそれを触ったり、口にしたり、私たちが感じている「感覚」は実在しているのでしょうか? もっと言えば、私が私と思っている「意識」は、実在しているのでしょうか?
もしそれらがコンピューターによる計算結果だったとしたら、今この文章を打ち込んでいる私は、誰の意思でこんなことをしているのでしょうか?
考えれば考えるほど、面白い仮説だと個人的には思います。特に、日常生活の中では、今の科学では説明のつかない、本当にコンピューターのバグのような出来事が起こることがたまにありますから、そういったことを説明するにはうってつけの仮説なのではないかと、そんな風に思います。
誰にも真偽は分かりません。でもだからこそ、そこに浪漫が生まれます。
もし、この世界が作られた世界だとしたら、一体、誰が作っているのでしょう?
この世界がシミュレーションの一部だとして、どうやったらそれに気付くことができるのでしょう?
明日から、この世界はシミュレーションなんだと思って生活してみるのも面白いかもしれませんね。
連載小説『特異点4(仮)』、第33回『虚構~赤い林檎』を公開しました。
来週はいよいよ最終回です。
今週もどうぞ良い週末をお過ごしください。
Photo by Hanjorg Scherzer
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