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執筆者の写真うだりお

『特異点2』第12話『脱走』を公開しました!

皆さん、こんにちは。


全国的に梅雨に入り、雨空が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしですか。

東京では、5月6日から続いていた新型コロナウイルスによる休業要請が全面的に解除され、個人的にはCOVID-19封じ込め対策の一応の決着がついたように思います。


私の周りでも、時間をずらして電車で通勤するようになったり、時差登校による通学が始まったり、少しずつですが、皆が今までの生活と新しい生活の間で日常生活を始めているように感じます。今までの生活スタイルに慣れ親しんでいる分、どこまで元に戻せるか、果たして元に戻していいのか、まさに手探りの状態ですよね。先が見えない分、「こうしよう!」と決められないもどかしさがあるのも仕方がないような気がします。


先日、面白い記事を見かけました。COVID-19自粛期間終了後のフランスに起きた『価値観シフト』を記した記事(東洋経済オンライン、ドラ・トーザン)でしたが、日本人にも当てはまる点がいくつかありましたのでシェアしたいと思います。


記事の中で、著者は、コロナ後の社会で『大きく変わったことの一つに時間との関わり方』があると言っています。

フランスでは、自分の時間をどう過ごすかは人生においてとても重要なことです。生まれてから死ぬまで、その限られた時間をいかに過ごすか。それは、私たち日本人にとっても、人生における大切な指針の一つだと思います。そしてフランスでは、コロナ渦の強制自粛で、家族との向き合い方を再考する人が増えたと言っています。家族と過ごす時間が増えたことで絆を深めた人、自分たちの関係はもう終わったと感じ別れを選んだ人……。その背景には、『それぞれが自分の欲求をより「鋭く」認識するようになったことがある』と言います。


今の自分にとって何が必要で、何が必要でないか、誰と時間を過ごしたいか、そういう自分の人生の目的や夢を再認識する人が増えたということでしょう。そして著者は言います。『これはつまり、本音で生きるということ』。これまで我慢や妥協をしてきた人々が、政府による強制的なステイホームの期間を通して、ここまでは受け入れる、でもここから先は受け入れられない、という個人の線引きを明確にする方法を学んだのだと著者は言います。それはすなわち、自分の生き方における価値基準を明確にしたということです。


著者は続けます。

『ロックダウン期間中に私たちは自分を見つめ直し、自分のこれまでの人生を振り返ることができました。(中略)ストレスや移動、義務(あるいは義理)的活動をより減らす一方で、自分の趣味、家族や家庭、あるいは精神的安定のための時間を増やすにはどうしたらいいか』。


仕事とは、主に金銭的に生計を立てるものなのか。

それとも、社会的な意味で幸せになり、社会の中で役割を果たして有用だと感じるためのものか。


時間や自由は、お金よりも大事なものなのか。

それとも、お金があることで時間や自由を得ることができるものなのか。


健康に対する考え方、新しいもの・古いものに対する考え方、隣人に対する考え方、地域に対する考え方、環境に対する考え方……。


もしかしたら日本でも、これから色々な物事に対する個々の価値基準が一層明確になってくるのかもしれません。そしてもしそうなった時のことを考えて、お互いの選択を尊重し合えるような関係性を今から作っていけたらいいですね。


さて、連載小説『特異点2(仮)』、第12回『脱走』を公開しました。


今週も良い週末をお過ごしください。


Photo by -MQ-

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