皆さん、こんにちは。
9月も中旬に差し掛かり、だんだんと半袖が涼しく感じられるようになってきましたが、皆さんはいかがお過ごしですか。この一週間は雨の日が多く、秋晴れの青空を見れなかったのは残念ですが、その分残暑もなく、夜は寝付きやすかったのかなと思います。季節の変わり目ですので、体調など崩されませんようお気を付けください。
お気を付けくださいと言えば、先日、『4000冊の蔵書が一瞬で吹き飛ぶ、アマゾンの電子書籍が抱える根本的な落とし穴(PRESIDENT Online, 三上洋)』という記事を読みました。
私自身、作品をアマゾンの電子書籍で販売しているので興味を持って読み進めると、どうやらアマゾンアカウントを永久停止されたユーザーが、それまで購入した電子書籍にアクセスできなくなったという内容でした。その数なんと4000冊!大変なショックだったろうと思います。
記事では、電子書籍は紙の本と違って、「そのプラットフォーム上で読むことのできる『利用権』を販売」していると述べています。つまりユーザーは、電子書籍を『所有』しているのではなく、『読む権利を与えられている』に過ぎないということです。なので前述の方のようにアカウントを利用停止されると、読む権利も剥奪されてしまう。せっかく集めたお気に入りの書籍をもう一度読み返すことはできなくなります。
これは確かにそうですね。
電子書籍は、ある日突然、それが読めなくなる可能性を内在しています。アカウント停止だけでなく、ファイル自体の破損、リーダー機器の不具合、対応OSのVer不一致、プラットフォーマーのサービス終了など、他にもいくつかありそうですが……。
作品を提供する側としては、正直、あまり喜ばしいことではありません笑。私としては、購入していただいた読者には、紙の本と同様に『所有』して欲しいし、ふとしたきっかけで読み返して欲しい。不要になったならば、誰かにあげてもいいし、売ってもいい。そういう『自由』な読書環境が個人的には理想です。
記事では、その代替案として「NFTを使った電子書籍の販売」に言及しています。
NFT(Non-Fungible Token)というのは、仮想通貨と同じブロックチェーン技術を使った電子データで、データの改ざんはできません。本人所有の証明書となったり、歴代の所有者を記録できたりします。今年の3月にバンクシーの作品を購入した方が、作品をNFT化した後に、原作を焼却したことで話題にもなりました。
それと同じ仕組みで、電子書籍をNFT化できないか、という視点ですね。
面白いです。
日本では、株式会社Gaudiyさんとコミックスマート社さんが、すでに電子書籍のNFT化に取り組んでいるとのことですが、今後、もっともっとたくさんの電子書籍ストアがNFTに対応するような流れになっていくと、電子書籍の取り扱い方も変わってくるのかなあと思います。皆さんが電子書籍を『所有』できるようになる日は、すぐそこまで来ているのかもしれません。
さて、連載小説『特異点3』、第15回『天罰』を公開しました。
今週もどうぞ良い週末をお過ごしください。
Photo by Gordon Johnson
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