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執筆者の写真うだりお

『特異点3』第17話『心がない』を公開しました!

皆さん、こんにちは。


先週までの雨雲なんか嘘のような青空が広がっています。

高空が気持ちいい季節になってきましたね。皆さん、お変わりはありませんか。


COVID-19の感染者数が日に日に少なくなってきて、今月末で緊急事態宣言が解除されるなんて言われていますが、私たちの心に敷かれた緊急事態宣言はそう簡単に解除できるものではありません。


先日、高齢男性が杖を落としたので拾おうとしたら、「触るな!」と注意されました。その時は「なんでそんなことを言うんだろう?」ともやもやしましたが、後になって考えると、どこぞの誰か分からん人間に触れて欲しくないということだったんだろうと納得しました。私の中に優しさの押し付けというか、それをして当然という驕りがあったんだろうと思います。今は手を出して申し訳なかったなと思っています。


私はこの時「コロナ禍」という背景を見落としていました。そして私がそうすることで相手がどう思うかが頭から抜け落ちていました。


電車やバスで席を譲る行為もそうですが、色々な人がいるので難しいですよね。

あえて大袈裟に言うならば、この時の私のように、ほんの少し頭を巡らせれば分かるようなことをよく考えずに行動して失敗する人を『心無し※』と言うそうです。特別に悪い意味ではありません。もともとは「あいつ分かってねえな」とか、「うっかりし過ぎじゃね?」とか、そういう意味だと思います。「もっと考えてから行動してね」という発話者の思いが込められている、そんな気もします(※『心無し』には、①思慮のないこと。おもいやりのないこと。また、その人 ②情趣を解さないこと。風流心のないこと。また、その人。という意味があります、広辞苑第六版)。


誰だって『心無い』行動をしてしまうことはあると思います。こっちがそんなつもりではなくてもそう受け取られてしまうこともあると思います。でもそういう行動をしてしまったことよりも、そこからどれだけ早くリカバーできるかが大切だと思います。今後ますます考え方が多様化していくであろう社会において、目の前に対峙する相手によって臨機応変に対応を変えていく、そして相手の考えに思いを巡らせながら接していく、そういうことがこれからは必要になってくるのかなぁと、そんな印象を持った出来事でした。


さて、連載小説『特異点3』、第17回『心がない』を公開しました。


今週もどうぞ良い週末をお過ごしください。


Photo by MichaelGaida


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