皆さん、こんにちは。
群青色の瓦屋根に溜まった落ち葉が空風に蝶のように舞っています。
空気が乾燥して、空が澄み渡って、冷たい空気さえ気持ち良く感じる季節になってきましたが、皆さんはいかがお過ごしですか。
今日は『特異点3~冒疾の果て編~』の更新です。
前回、藤崎は死にゆくマカを助けるために自らが記憶の移植を受けることを提案しました。
移植する記憶はあゆむの記憶、レアメモリです。
レアメモリは「川底のダイヤモンド」とも呼ばれるとても希少な記憶で、他人のモノの見方、考え方を変えることができると言われています。ただレアメモリは相手を選ぶとも言われていて、移植先の脳が相応の構造を有していないと、言語障害や意識障害、最悪、死に至る場合もある恐ろしい記憶です。
藤崎は自分は『選ばれた人間』だからレアメモリを移植しても大丈夫だと言い張ります。そして今回、いよいよあゆむの記憶を自分の脳に移植します。
さて、藤崎はあゆむが見ていた世界を見ることはできたのでしょうか?
あゆむが見ていた世界とは一体何だったのでしょうか?
連載小説『特異点3』、第29回『作られた世界』
どうぞお楽しみください。
Photo by Susann Mielke
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