皆さん、こんにちは。
東京オリンピックまで2週間を切りました。東京と沖縄に4度目の緊急事態宣言が発出されるらしいですが、ここまで来ると『糠に釘』でしょうか。こうなった以上は、感染を拡大させずに、オリンピックが持つ本来の意義が全世界で共有されるといいなと、そんな風に思っています。
先日、フランス人サッカー選手のアジア人差別動画が流出してニュースになっていました。
私も見ましたが、動画の中で彼らは、彼らの要望に応えようと奮闘する日本人スタッフに対して「顔が酷い」と笑ったり、言語をからかったり、セットアップに手間取るスタッフを「先進国なんじゃなかったの？」と馬鹿にしていました。
その後、彼らは公式に謝罪しました。彼らが所属するクラブも公式に謝罪しました。
この動画を撮影していた選手は当時、22歳です。ここまで事が大きくなることは想像もしていなかったと思います。日本でもよくあることですね。仲間うちだけにアップしたはずの動画がSNSを通じて拡散、社会的な責任を負うはめになるという一連の行為です。以前おでんをツンツンした動画を拡散された方がABEMATVに出演して「まさか警察に捕まるとは思っていなかった」と話していました。そして「今も迷惑電話が続いている」とも言っていました。
今回の件で言えば、容姿をからかうことはたとえ冗談であってもいけないことだと思います。その対象が、自分とは違う人種・民族であれば尚更のことです。もっと言えば、動画に納めて仲間内で共有するなんてことはもってのほかです。ただ一方で、容姿をからかったり、酷いあだ名をつけたり、お互いに冗談を言い合いながらも切磋琢磨し、信頼関係を構築していく文化が世界にはあるんだってことも事実です。
プロサッカー選手としての自覚が足りなかった。一言で言えばそういうことになります。
でも私たちは大なり小なり私たちのよく知っている世界の中だけに生きています。もしそこから一歩外へ出た時、「知らなかった」では済まされないことが私たちにも起きる可能性はあります。
「多様性と調和」――スポーツはその先鋒だと思います。
オリンピックの意義が全世界で共有されるといいですね。
さて、連載小説『特異点3』、第6回『黒い空』を公開しました。
今週もどうぞ良い週末をお過ごしください。
Photo by Shantanu Kashyap
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