皆さん、こんにちは。
近所の桜が咲いています。お子さんがいる方は卒園式、卒業式も終わり、ほっとしているところでしょうか。学生の方は3学期が終わり、春休みですね。お疲れ様でした。社会人の方は年度の切り替えの時。まだまだ忙しい時期が続くと思いますが、異動などで環境が大きく変わる時期でもあります。気持ちを切り替えて、ぜひ新しい環境を楽しんでいただきたいと思っています。
私はというと、年始から取り組んできた新連載の構想設計において、大方の目途が立ちましたので、来週からいよいよ新連載を開始したいと思っています。
新連載は、現在ホームページにて公開中の作品『特異点~冒疾の果て編~』からの続編になります。新連載についても、これまで通り、ここで公開していくつもりでいますので、ぜひ周りのお友達にも教えてあげてくださいね。更新は例年通り、毎週土曜日を予定しています。
今回の主人公は、関東カミナリのリーダーと噂される『サム』です。
カミナリというのは、社会からあぶれたGMC(Genetically Manipulated Child=人工胎生児)の集まりで、世間的には反社会的集団として認知されています。警察の不祥事を暴露したり、政治家の不倫現場を生放送したり、ある層の若者からは一定の支持を得ています。違法薬物の密売、遺伝子詐欺や傷害・強盗行為など、明確な犯罪行為を繰り返しているにもかかわらず、警察がグループの根絶に至っていないのは、彼らが組織化されていないからです。一人捕まえても、また一人、また一人と、泡のように湧き出てくる。それが『神の怒り』と自らを称する犯罪者集団、カミナリの実態です。
そのトップと噂されながら誰もその顔を見たことがない人物、それがサムです。サムはスマートジェネティクス社が産み出した超人『ツァラトゥストラ』ですが、本人はもちろん、周りの人間はその事実を誰も知りません。ただ、サムが優れた治癒能力や痛み耐性といった特殊な力を持っていることはある程度周りに知られていて、それを知る者はサムに対して畏怖に近い敬意を払っています。
しかしサムは自分がカミナリのリーダーだとは思っていません。それよりも自分を必要としてくれる仲間のために日々を生きています。なぜならサムはカミナリと出会うまでずっと一人で生きてきたからです。
本作は、カミナリのメンバーが中心となって物語が進行していきます。老人狩りを遂行する『カミナリ』という集団、そして強大な権力を持つ『健楼会』という集団。自然出生児、人工胎生児(企業産)、男、女、若者、老人、子を持つ親、子を持たない大人。社会が様々な価値観を持つ集団に分断された2069年――その時代を生きる若者たちは何を考え、何のために生きるのか。
4月2日を楽しみに待っていていただければ幸いです。
Photo by SK
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